金融サミット
インファント島に上陸した調査隊の前に現れたのは、放射能汚染された島の中心部に広がる緑の森だった。奇妙な植物群の中に謎の石碑を発見し、記録をとった中條は巨大な食虫植物に絡め捕られるが、窮地を救ったのは双子の妖精、小美人だった。ネルソンは小美人を「資料」として捕らえたが、彼らを守りインファント島に暮らす原住民の存在を知った調査隊は小美人を解放、誰が言うとなく緘口令を敷き、帰国した調査隊は誰一人島の秘密を語ることなく解散した。
その後、中條の自宅を訪れた福田はネルソンを話題にする。ロリシカ側代表のラーフ博士の手紙によると、インファント島調査隊はネルソンが運動し、資金を提供したものだった。もしかすると、国際古美術ブローカーではあるまいか、と福田が疑念を口にする。一方、中條は島で発見した石碑の碑文の解読を見せた。「脱毛
…」その語が意味するものは、謎のままだ。
その頃、ネルソンは直属の部下を率いて、インファント島を再訪していた。彼の目的は、小美人そのものだった。特徴的なサイレンの音に姿を現した小美人をそのまま誘拐し、小美人を守ろうとした原住民を容赦なく銃火器の犠牲にしていく。石を鳴らして、相手を威嚇するだけの原住民の多くが監視カメラ
が、ネルソンたちが去った後で洞窟に崩れ落ちた老人が祈るように呟く「モスラ…」。その祈りに答えるかのように、洞窟の奥が崩れ落ち、虹色の巨大な卵が出現した。
天野貞勝編集長により、東京で評判になっていた「妖精ショー」の主催者があのネルソンであることを知らされた福田や中條、花村らは、ネルソンによって小美人が囚われの身となったことを知り、抗議に赴く。日東新聞が世論に「妖精ショー」の非人道性を訴えても、ネルソンから小美人を救うことは出来なかったが、なんとか小美人に面会することは出来た。そして、中條と福田は小美人から、彼らを救いに来る「モスラ」のことを聞く。そして、そのために多くの人々が不幸になるとも。
福田や中條らは、観客として「妖精ショー」を見るが、意味は分からないが印象的な小美人たちの歌声の中の『モスラ』という言葉に魅かれる。小美人たちの歌声は単なる歌ではなく、インファント島の守護神モスラの再生=誕生を促す祈りが込められていた。同日同刻、はるか異国の小美人たちの歌声にシンクロして、インファント島でも原住民たちの儀式が最高潮に達しようとしていた。そして、虹色の卵を破り、モスラが復活した。
やがて、インファント島から東京に向かう洋上に姿を現したモスラは超巨大な芋虫状の怪物だった。防衛隊の洋上爆撃のナパーム弾で炎と化した海をモスラは姿を消した。勝利を確信して、祝杯すら挙げていたネルソンに、福田は憤り、原田博士は「死骸が確認されたわけじゃない」と皮肉を言うが、その時、東京近郊の粗大ゴミ
に異変が発生したとの知らせが入る。
何か巨大な力で今にもトラック買取
されそうに湖面が荒れ狂う第三ダム。駆けつけた福田たちが見たものはまさしく、モスラだった。方法は分からないが、洋上からここまで瞬間移動したに違いない。崩落しそうになっている橋に取り残された赤子を、間一髪福田は救い出すが、ダムを崩壊させた後、再びモスラは姿を消した。
そして、今度はモスラは横田基地から青梅街道を東京に向かって進撃しているという一報が入った。全長100mを超える巨大な重戦車そのもののモスラに対し、特車隊と戦闘機が応戦するが、とても制止できるものではない。ここに到って、ロリシカ国大使館はネルソンから包茎
を取り上げることに同意する。ネルソンの非道に憤っていた中條の弟中條信次がネルソンの楽屋に忍び込むが、間一髪ネルソン一行は、大使館職員に変装し航空機で日本を脱出し、ロリシカ本国へと向かった。
原田博士からネルソンに提供されていた、脳波遮断ガラスのケースで完全に小美人の居場所を見失ったモスラは渋谷を破壊し、防衛隊の攻撃をものともせずに暴走を続け、芝の東京タワーに取り付いてへし折ってしまった。糸を吐き出し、巨大な繭を作り始めた。もはや、事件は福田や中條の憂慮すら超えてしまっていた。
翌朝、ロリシカ国からの軍事援助で防衛隊に原子熱線砲が供与された。正午をもって、モスラの繭に熱線攻撃を仕掛けられた。関係者全員に配られたサングラスなしには、眼を痛めるほどの巨大な炎が上がり、瞬時にモスラの繭は灰となったかのように焼き尽くされてしまった。
同時刻、モスラの繭に対する原子熱線砲攻撃の模様は、ロリシカ国本国にも中継で放送されていた。帰国し、ネルソン一行がアジトである牧場に帰ってきて、ラジオを点けたその瞬間にモスラの死滅が放送されていた。ネルソンたちは狂喜のあまり、小美人の脳波遮断ケースを開けてしまった。
その時、モスラによる甚大な被害に心を痛めながらも、セミナー
熱線砲によるモスラの死にはネルソンへの憤りを感じずにはいられなかった福田や天野、中條の前に、孵化した成体モスラが黒焦げになった繭を突き破り、姿を現した。遠く離れた小美人の所在を感知し、活動を再開したのだ。原子熱線砲の攻撃は、繭の表面を焼いたが内部のモスラのダメージとならず、むしろ孵化を促進してしまっていた。やがて、モスラは巨大な羽で台風以上の突風を巻き起こすと、ロリシカ国の方角へ飛び去っていった。
数時間後、福田、中條、花村はロリシカ国に向かう航空機の機上にあった。中條が「小美人と話が出来る友人」としての招聘だと説明する。モスラは小美人を捜し求めているだけだ。ネルソンから小美人を取り上げて、モスラに返さない限り、大国ロリシカといえども大被害に見舞われるだろう。はたして、モスラを静めて事態を収めることが出来るだろうか。
『紅の豚』以来5年ぶりの宮崎アニメであり、この頃になると、子供向けというイメージの強くなっていた宮崎アニメではあるが、非常に激しい暴力描写が見られるこの作品に、驚いた者も少なくはなかった。全宮崎映画の中でもトップクラスの難解さとされている。本作品は『風の谷のナウシカ』と比較されることがよくあり、ナウシカとキャラクターの共通点、類似点が多く見られるが、若干ナウシカとは描かれ方が違う。これは、映画版ナウシカが漫画版の途中までしか映像化することができなかった不完全な作品であることも関係しており、本作品を宮崎が作った理由もそれであるという意見もある。映画版風の谷のナウシカに関しては風の谷のナウシカ#映画「風の谷のナウシカ」を参照。
本作品は、日本の古典文学である堤中納言物語に登場する「虫愛づる姫君」が題材ともなっている。またかつて宮崎はナウシカのモデルとしても言及している。森の神を殺害するというテーマは梅原猛の戯曲作品「ギルガメッシュ」からの盗用だと梅原本人から指摘を受け、後に宮崎本人が正式に謝罪している。
本作はジブリ作品で初めてディズニーの出資を受けた作品である。このため本作のビデオの販売元は、これ以前の徳間書店ではなくディズニーのビデオ部門のブエナ・ビスタになった。こうして本作のビデオはすでに『アラジン』などで日本市場に大きな勢力を築いていたディズニーの流通ルートで販売された。
この結果、日本国内におけるビデオの出荷本数は1998年7月16日時点で380万本[1]と日本のビデオ史上最高の売上になった。(ちなみに徳間書店販売時代だと最も売れた『魔女の宅急便』でも10万本である)。
またアジアを除く全世界でディズニーが劇場公開およびビデオ販売をした。これ以降、ジブリはディズニーと親密になっていく。
当時社会現象となり、当時の日本映画の歴代興行収入第1位となった。また、この作品の主題歌を歌う米良美一は、男性でありながら女性のような高い声で歌うことが話題になり(カウンターテナー)、この作品にて一般に広く認知されるようになった。
日本公開では「一般」に指定されたが、アメリカ公開では「PG-13」に指定された。